私は、アンタゴニスト法で卵を育てた後、採卵で16個の卵子をとることができました!
そして6つが5日目胚盤胞にまで成長しました!
採卵ってなに?痛いの?
採卵、という言葉自体ほとんどの方が聞き慣れないと思います。
私も自分が不妊治療を開始するまでは全く知りませんでした。
わかりやすくまとめていきます!
採卵とは
採卵とは、体外受精に必要な卵子を排卵日の直前に体内から採取することを指します。
医師がモニターを確認しながら、細い針で卵子を吸引していきます。
比較的身体的負担が少ない処置なので、病院によっては麻酔を使用せず行う場合もあります。
そして、妊娠率をUPさせるためには、良質な卵子をたくさん採ることが必要であると言われています。
多くの場合は排卵誘発剤を用いて卵巣を刺激し、1個~10個前後の成熟卵を採取しますが、排卵誘発剤を用いない場合もあります。
痛みを伴う場合もある
採卵は、膣から針を刺して行いますが、非常に細い針なので痛みは軽減されています。
病院によって、局所麻酔を使用したり鎮痛剤を使用したり様々です。
痛みの感じ方には個人差があるので、不安な方は予め医師に相談してみてはいかがでしょうか。
私は採卵前に卵胞確認した際に、13個くらい採れそうだということが分かっていたので、主治医に静脈麻酔でやりましょうと言われました!
点滴で麻酔が入ると、瞬きしている間に採卵が終わった!という感覚でした。
排卵誘発ってなに?それぞれのメリット・デメリットは?
排卵誘発には、主に以下の3つの方法があります。
無刺激法とは、排卵誘発剤を用いずに自力で排卵させることです。
排卵障害がある場合や生理周期が乱れている場合などに、排卵誘発剤を用いて排卵を促すことを「低刺激法(クロミッド法)」・「高刺激法」といいます。
低刺激法ではクロミッドを服用し、HMG注射を打つことで卵胞発育を調整します。完全自然周期よりもとれる卵子の数が多くなります。
高刺激法では、排卵誘発の注射を毎日打つことで卵巣を刺激し、より多くの卵子をとることができます。ただし、注射の費用や副作用のリスクが生じます。
無刺激法(完全自然周期)
こちらは、難治性不妊症の方・高齢の方・卵巣機能が著名に低下している方などが適用となります。
メリットは以下の3つです。
次に、デメリットです。
低刺激法:クロミッド法
クロミッドは脳の排卵にかかわる部分に働きかけて排卵を促す薬です。
メリットは以下の3つです。
次に、デメリットです。
高刺激法:ロング法
ロング法とは、採卵をする前の周期の高温期から採卵日まで、毎日注射を打つことと点鼻薬を使用することでで卵巣を刺激し、10個程度の採卵を目指す方法です。
採卵に向けての準備期間が長いためロング法と呼ばれています。
年齢が若い方が適用となります。
メリットは以下の3つです。
次にデメリットです。
高刺激:ショート法
ショート法とは、注射を打って点鼻薬を使用することはロング法と同じですが、投薬開始が採卵をする周期の月経初日からとなり、比較的短期間になります。
こちらは卵巣機能が低下している比較的年齢の高い方でも適用となります。
メリットは以下の3つです。
次にデメリットです。
高刺激:アンタゴニスト法
アンタゴニスト法とは、月経開始3日後から注射で卵巣を刺激する方法です。
こちらは2006年以降、日本に導入されてから採用している病院が増えてきていて、LH値が高めの方やAMHが低い方が適用となります。
メリットは以下の4つです。
次に、デメリットです。
私はこちらの方法でやりました!
AMHが年齢に対して”2.7”と低めだったことを考慮して、主治医は迷いながらこの方法でやってみようか~といった感じでした。
OHSSになりにくいというメリットがありますが、私の場合は想定以上に卵がたくさん育ちすぎた影響か、軽くOHSSみたいになりました。
採卵当日の流れは?
採卵当日は、精子も必要になります。
それぞれの段取りをまとめていきます。
採卵
排卵直前の卵子を採取する必要があるため、採卵日はおよそ2日前に確定します。
多くの場合、午前中に来院して午後までかかります。
採卵をする際に麻酔をかける場合には、前日の夜から絶飲食することや自己運転で来院しないように指示が出ます。
採卵自体は数分から数十分で終わりますが、待機時間・休息時間を経て、当日に採卵結果の報告を受けます。
私は麻酔を使用する予定だったので、絶飲食で来院しました。
そのせいで待機時間にお腹が減りすぎて具合が悪くなったので、おにぎりとかを持参すればよかったな~と後悔しています(笑)
採精
精子は採卵をする日に提出する必要があるので、およそ2日前まで日程は確定しません。
院内採精室を使用するか、自宅で採取したものを持参します。
自宅で採取した精子を持参する場合、体温に近い温度に保った状態で2~3時間以内に提出する必要があります。
これらが難しい場合には、あらかじめ精子を凍結し、採卵の日に融解するという方法もあります。
当時、コロナ禍だったので採精室が閉鎖されていました。
夫に出勤前に5時起きで精子をカップに出してもらい、それを腹巻の中に入れて大事に病院まで運びました(笑)
私の病院は、「念のためにカップ2つ分採取してきてね!」という感じだったのですが、早朝から仕事に行く前に2回も出すなんて到底無理だったので、「無理でした!」と1個だけ提出しました。
採卵した後の受精・分割ってどうなるの?
せっかく採卵しても、順調に育っていかない場合があります。
私の病院では、基本的に凍結胚盤胞を融解して移植する方法しかやっていませんでした。
採卵してから2日後と5日後に病院に電話します。
2日後の電話で「16個採れた卵子のうち、8個が受精卵になりました」と報告を受けました。
5日後の電話で「8個の受精卵のうち、6個が胚盤胞になったので凍結しておきます」と報告を受けました。
新鮮胚移植をする場合
新鮮胚移植は分割胚移植とも呼ばれ、受精してから2~3日目の受精卵を子宮内に戻します。
妊娠率はおよそ20%で、受精卵が胚盤胞まで育たない場合にはこちらの方法をとる場合があります。
こちらのメリットは大きく2つあります。
1つは、凍結・融解のダメージを受けないことです。
2つ目は金銭的な負担が少ないです。
凍結・融解・保存をする場合にはそれぞれ費用がかかりますが、新鮮胚移植をする場合は必要ありません。
胚盤胞を凍結胚移植をする場合
胚盤胞とは、受精後5~6日間培養した胚のことで、着床直前の状態になっています。
こちらは、新鮮胚移植をするよりも妊娠率がUPし、およそ35%と言われています。
採卵に向けて排卵誘発剤を使用した影響で子宮内膜が薄くなってしまう場合があるため、一度凍結し、子宮の状態が良くなってから融解して移植することで妊娠率がUPします。
費用はどれくらいかかるの?
2022年以降不妊治療が保険適応となったため、保険適応での費用をまとめていきます。
採卵できた数によって費用は変わる
採卵の基本料金は32,000円で、自己負担額は9,600円となります。
そして、採取できた卵子の数によって追加料金が変わります。
これに、受精させる費用・培養費用・凍結費用がそれぞれかかります。
病院にもよりますが、これらの合計でおよそ49,000~128,000円追加されることになります。
つまり、費用がどれくらいかかるかは、採卵当日に卵子が何個とれるかによって変動します。
多めに見積もって用意しておくのが良いでしょう。
私は保険適応になる前に採卵しているので、あまり関係ありませんが、30万円くらいかかりました。
卵子が16個採れたことが高額になった理由です。
あまり着床しなさそうな卵子は破棄して少しでも費用を抑えたかったのですが、「うちではそういうことはやっていません」とのことでした。
まとめ
いかがでしたか。
個人的に体外受精の工程の中で採卵が最も大変だったという印象が強く残っています。
採卵は排卵誘発方法やかかる費用が人それぞれなので、私の体験談が少しでも多くの人の役に立てれば幸いです。
コメント